乾燥肌がひどくなると、肌にかゆみを感じることがあります。また、さらに症状が悪化すると炎症を伴ったり、痛みを感じる方も少なくありません。
そうならないためにも、かゆみの原因やかゆみが出てしまった場合の適切なスキンケアについて、事前に知識を得ておくことはとても大切です。そこでこちらでは、乾燥肌によるかゆみとその対処方法についてご紹介していきます。
この記事のもくじ
乾燥肌によるかゆみの原因とは?
なぜ乾燥すると肌がかゆくなる?
乾燥肌は肌表面の皮脂とセラミドのような角質層の潤い成分が減少し、バリア機能が著しく低下している状態です。
バリア機能とは、肌表面の薄い角質層が空気中の塵やホコリなどの外部刺激から肌を守るための機能で、角質層が充分に潤っている状態ではじめてその役割を果たすことが出来ます。
すなわち、肌が乾燥し肌の水分量が低下していると、バリア機能が上手く働かず、外部からの刺激に非常に弱くなってしまいます。
この無防備な状態では、髪や衣服の接触などちょっとした刺激でも肌にとっては大きなダメージとなってしまい、肌荒れやかゆみが引き起こされてしまうのです。
かゆみのメカニズム
肌が「かゆい」と感じる時、私たちの身体の中ではどのような反応が起こっているのでしょうか。
「かゆみ」とは肌が「異物」を感知した時に起こるアレルギー反応の一種です。前述のように乾燥した肌はバリア機能が低下し外からの異物に対して非常に弱い状態。ほこりや衣服のこすれなど、ちょっとした刺激でも肌が異物と判断してしまいます。
出典:http://www.ikedamohando.co.jp/jyouhoukan/dry_skin/
するとその異物に対抗するべく肌が活動をはじめるのですが、その時に分泌されるのがヒスタミンという成分です。このヒスタミンが、かゆみを感じる神経を刺激することで「かゆみ」が生じます。
つまりかゆみとは、異物に対する肌の防衛機能による副産物なのです。そのため肌の表面で異物を食い止めるべく、バリア機能を向上させることが重要になっていきます。
かゆみを悪化させないための注意点
かゆくても絶対にかかない
肌がかゆいと、ついついかきむしってしまうという人は決して少なくありません。自制のしにくい小さなお子様はなおさらですが、大人でもかゆみを我慢して過ごすのは大変なことですよね。
しかし、かゆいからといって肌をかいてしまうと、一時的にかゆみから解放されるかも知れませんが、さらなるかゆみを生む原因となってしまいます。
それには前述のヒスタミンというかゆみを誘発する成分が関わっています。実は「肌をかく」といった刺激もヒスタミンの分泌を促してしまうので、かゆみを強くしたり、かゆみの範囲を広げてしまうことに繋がるのです。
そのため肌がかゆくても、絶対にかかないこと、肌を刺激しないことが重要です。どうしてもかゆくてたまらない場合には、患部に抗ヒスタミンなど、炎症鎮静効果のある成分が配合されたクリームをぬるようにしましょう。
また、夜寝ている時など、無意識に患部をかいてしまうという方は布団に入っている間手袋を着用するのがおすすめです。
これはアトピー性皮膚炎のお子さんなど、どうしても自分でかくのをやめられない患者さんにお医者さんが薦める方法で、意識が落ちてしまう就寝中にも大変有効です。
衣服や寝具周りの素材選びに注意
かゆみを発生させる原因に、衣服や寝具の摩擦による刺激があげられます。しかし、素材を選ぶことで肌に触れた時の刺激を軽減することが可能です。
肌のかゆみにお悩みの方におすすめなのが、コットン(綿)やシルクなど自然繊維の素材です。
逆にウールなど、化学繊維の商品は刺激が強いため、乾燥肌や敏感肌の方にはおすすめできません。特に直に肌に触れる下着や肌着は、よく素材を選んでから買うようにすると良いでしょう。
また、寝具は小まめに洗ったり干したりすることで、雑菌やダニの繁殖を阻止することも大切になります。衣服についているタグで襟足が荒れてしまうという方もいらっしゃいますので、念のため切り取っておくと安心かも知れません。
入浴時の工夫
乾燥肌にともなうかゆみにお悩みの方は、入浴時のお湯の温度に注意するようにしましょう。熱いお湯は肌にとっての刺激になるだけではなく、肌の保湿成分が流れ出しやすくなってしまいます。
また、あまり長時間の入浴もおすすめできません。少しぬるいかな?と感じる程度のお湯に、30分以内というのがベストです。
加えて、身体をごしごしと洗うのもNGです。敏感肌の方でも安心して使えるやわらかい素材のものを選び、肌荒れがとてもひどい時には手洗いにする方が無難でしょう。
入浴後は非常に肌が乾燥している状態なので、保湿クリームでしっかりと肌を潤すことも大切です。
かゆみを伴う乾燥肌におすすめの保湿クリーム
乾燥し、かゆみを伴っている状態の肌はとってもデリケート。そのため「低刺激」「敏感肌にもOK」といった但し書きのある商品を選ぶようにしましょう。また、前述のようにかゆみに対抗するためには肌のバリア機能を高めること、すなわち肌の角質層を十分に潤った状態に保つことが必要不可欠です。
角質層の潤い成分「セラミド」
私たちの肌はいくつかの層によって構成されており、肌の一番表面にある薄い層を角質層と呼びます。
この角質層をいかに潤った状態に近づけることができるかが、かゆみを発生させる乾燥肌にとって重要になってくるわけです。
しかし人間の肌に元々備わった潤い成分は各層によって異なるため、一概に「保湿成分配合」とうたわれている商品がすべて角質層の潤いに繋がるわけではないのです。
そのため、角質層に元々備わっている潤い成分である「セラミド」が配合された基礎化粧品を選ぶことが、バリア機能を高めることに繋がります。
それらの配合されている商品を選んでも意味がないわけではありませんが、バリア機能を高めかゆみから肌を守るという点では効果が薄いといえます。
おすすめの保湿クリーム商品
それでは実際に、「セラミド」の配合されたおすすめの商品をご紹介していきたいと思います。
アヤナスASクリーム
乾燥性敏感肌のために開発されたスキンケアシリーズの高保湿クリームになります。ナノサイズの極小ヒト型ナノセラミドが乾いた角質層のすみずみまで行き渡り、内側からふっくらと潤ったハリのある肌へ導いてくれます。
さらにバリア機能が低下した肌を健やか整えるコウキエキスを配合し、乾燥による肌の炎症を防止する効果も期待できます。また、エイジングケアブランドでもあるので加齢による乾燥や肌のたるみにお悩みの方にもぴったりです。
ヒフミドエッセンスクリーム
天然型セラミドの3倍の保湿力を誇るヒト型セラミドを配合。加齢や乾燥肌によって失われたセラミドを補給し、キメの整ったふっくらとした肌が実現できます。
有名な小林製薬の開発したスキンケアクリームなので、ご家族そろって安心して使用することができます。
ライスフォース 薬用保湿クリームRF
数多くのメディアで紹介されているライスフォースは、一度は目にしたことのある方も多いのではないでしょうか。
お米由来のライスパワーエキスNo11が角質層の奥深くまでぐんぐん浸透していきます。また、肌の水分保持力を改善する効果も認められており、肌本来が持つ健やかな状態に導くことができます。
保湿クリームの使用後、かゆみが出てしまった場合
乾燥を補おうと保湿クリームを使用したら、逆にかゆみが出てしまったという方も少なくありません。まず、その場合は使用を一旦中止し、皮膚科への受診が必要な場合はその製品を持っていくと良いでしょう。
保湿クリームを塗ったらかゆみが生じてしまった時、考えられる原因は2つあります。
1つめは、クリームに含まれている化学成分が肌への刺激となってしまった場合。乾燥し炎症を起こしている肌は非常にデリケートなため、スキンケア商品に含まれる微量の化学成分にも反応してしまうことがあります。
イッチ・カーム・クリーム
http://www.tekohanz.co.nz/itch-calm-cream-103.html
新鮮なオーガニックハーブを使用し、動物性成分、人工着色料、香料、界面活性剤無添加で赤ちゃんでも安心して使えるクリームです。肌の火照りや炎症を鎮め、皮膚の新陳代謝を促し自浄作用をサポートします。
2つ目は、保湿クリームを塗ることによって肌に熱がこもってしまった場合です。こっくりとしたクリームは肌の水分蒸発を防いでくれますが、同時に肌から熱が逃げにくくかゆみの原因になってしまいます。
また、水分を逃さないことよりも肌に直接水分を送ることに重きを置いたような商品を見つけると良いですね。
キュレル 潤浸保湿フェイスクリーム
http://www.kao.com/jp/curel/crl_facecream_00.html
乾燥性敏感肌のために開発されたスキンケアラインの保湿クリームです。さらりとした軽いつけ心地なのにしっかりと潤い、弱酸性・無香料・着色・アルコールフリーでゆらぎがちなお肌にも安心して使用することができます。
かゆみ予防と保湿のまとめ
乾燥に伴うかゆみは、主にバリア機能の低下による外部刺激へのアレルギー反応が原因です。そのためスキンケアでは、角質層の潤い成分「セラミド」が配合されたものを選び、角質層のバリア機能を高めることが重要になります。また、かゆみを悪化させないために
・かゆくてもかかない
・衣服や寝具の素材に気を使う
・入浴時のお湯はぬるめに設定する
など、気を付けて生活することが大切です。
①化学的成分の使用されていない ②軽いつけ心地で、肌に熱をこもらせないものを選ぶようにしましょう。